血栓・静脈瘤
血管の中に血栓ができたり、静脈瘤ができたりすると、血行の流れが妨げられ、むくみが起こりやすくなる場合があります。
血管が詰まってむくみの原因となるものには主に、静脈血栓塞栓症と下肢静脈瘤の二つがあります。
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静脈血栓塞栓症 (wikipediaより)
静脈血栓塞栓症(じょうみゃくけっせんそくせんしょう)とは肺血栓塞栓症(Pulmonary embolism:PE)と深部静脈血栓症(Deep
vein thrombosis:DVT)を併せた疾患概念である。
飛行機内などで長時間同じ姿勢を取り続けて発症することがよく知られており、俗にエコノミークラス症候群(あるいは旅行者血栓症やロングフライト血栓症)とも呼ばれる。
下肢や上腕その他の静脈(大腿静脈など)に血栓(血のかたまり)が生ずる疾患。
原因としては脱水、感染、旅行・長期臥床・手術などによる血流鬱滞、抗リン脂質抗体症候群などがある。
この血栓が血流に乗って肺へ流れ肺動脈が詰まると、肺塞栓症となる。肺動脈が詰まるとその先の肺胞には血液が流れず、ガス交換ができなくなる。その結果、換気血流不均衡が生じ動脈血中の酸素分圧が急激に低下、呼吸困難をきたす。
また肺の血管抵抗が上昇して全身の血液循環に支障をきたす。
軽度であれば胸やけや発熱程度で治まるが、最悪の場合は死亡する。 |
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下肢静脈瘤 (wikipediaより)
下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう、英語名:Varix, Varicose vein(s))は、静脈、特に下肢の静脈が拡張し血液が滞ることでおきる疾患。
こむらがえり、下肢のだるさなどの自覚症状に加え、色素沈着、潰瘍などの皮膚病変を主症状にすることが多い。
初期の治療法には圧迫法(弾性ストッキング着用など)、マッサージ法の保存的治療法がある。
静脈瘤の形によって、治療法が異なる。クモの巣状静脈瘤(1mm以下の細かい静脈がクモの巣状にみえる)や網目状静脈瘤(2〜3mmの静脈が網の目状にみえる)は、硬化療法(高張液を静脈瘤に注射する治療法)などの適応である。
側枝型静脈瘤(孤立性の静脈の拡張・蛇行)の場合は、硬化療法で治療できる場合と、静脈瘤に逆流している元を結紮する、または結紮して硬化療法を行う。
伏在型静脈瘤では、硬化療法単独では再発が多く、高位結紮を行ってから硬化療法を行うが、高位結紮だけでも治療効果のみられる場合が多い。 伏在型を根治的に治療する場合は、静脈抜去術、瘤切除術などがある。
どの治療においても再発や、別の静脈瘤が出てくる場合があるが、不適切な治療では早期(半〜1年以内)に再発する。
また、現在ではレーザーやラジオ波による静脈内膜の焼却も行われている。
なお、下肢静脈瘤の多くは、1次性静脈瘤(ふくれている、または蛇行している静脈そのものに原因のあるもの)であるが、似た症状で2次性静脈瘤(ふくれている、または蛇行している静脈瘤以外に原因のある静脈瘤)があり、これは深部静脈血栓症(かつてエコノミークラス症候群と呼ばれていた)が原因であることもあり、深部静脈が開存していることを確認した上(1次性静脈瘤と確認した上)で、治療しなければならない。
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